カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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設計は、建築家、ドメネク・イ・モンタネール。ウルフェオ・カタラン合唱団のために建設されました。
裕福な家庭に生まれたドメネクは、バルセロナにおいてはガウディ以上に著名な建築家であり、
若干25歳で教授に就任したバルセロナ建築学校では、2歳年下のガウディを教え、その後、学長に就任しました。
「芸術には人を癒す力がある」と語ったというドミニクらしい、重厚でありながらも自然との調和を感じさせる建築です。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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20世紀初頭のモデルニスモ様式(アールヌーボー様式)は、スペイン・カタルーニャ芸術の粋を集めたものです。
一番の見どころであるコンサートホールでは、パイプオルガンの下に18人のミューズが音楽を奏でている姿が作りこまれ、
また客席の天井には水が滴り落ちる形を模した直径17mものステンドグラスが輝き、床から天井まで届くステンドグラスと相まって、
自然光をふんだんに取り入れられています。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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元々、合唱団のメンバーが多く住んでいた地域に建設をされたため、住居や店舗が立ち並ぶ場所にすっぽりと佇んでいるこの音楽堂ですが、
外観も非常にデコラティブなものとなっています。
2階のベランダではバッハ・ベートーベン・16世紀のイタリア人作曲家であるパレストリナ・ワーグナーの像が観客を迎え、
柱は花のモチーフが至る所に飾られています。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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現役で活用されているこのホールですが、収容人数は2100人と大きな催し物にも対応ができ、
年間300以上のイベントが開催され、50万人以上が音楽を楽しみに訪れます。
催しは、クラシックをメインとしつつ、フラメンコやスパニッシュギター等多様なジャンルの音楽が堪能できます。
因みに、2011年の国際ジャズヘスティバルでは、坂本龍一氏が演奏を行ったそうです。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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実際にコンサートに行く以外に内部を見学するには、ガイドツアーがあります。
残念ながら、日本語のガイドはありません。
ツアーでは、音楽堂の歴史や建築に至った経緯が案内され、勿論、豪華絢爛なコンサートホールも見学できます。
通常、コンサートは夜間の開催が多いのですが、ステンドグラスからの光を感じるためにも、ガイドツアーはおススメです。
現地で、また、ホームページで予約ができます。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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カタルーニャ音楽堂がある旧市街、ゴシック地区は、元々紀元前205年から約500年間支配を受けたローマ帝国の時代、町の中心でした。
そのため、ローマ時代の遺跡が残る箇所もあります。
また、他にも見所が一杯です。3世紀の終わりに建てられ、その後13~15世紀にゴシック様式に改築されたカテドラル、王の広場、
そして、レイアール広場を囲む建物には、お店やバル、レストランが軒を連ねています。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

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日本では、あまり馴染の無い建築家、ドメネクですが、他にも多くの軌跡を残しています。
音楽堂と併せて世界遺産に認定されているサン・パラ病院、カサ・レオ・モレラ、アントニ・タピラス、カサ・ロウラ、
そして、1888年のバルセロナ万博でレストランとして利用された建物は、その後動物学博物館として現在も利用されています。
イスラムとキリスト教の建築様式を融合させ、また、湾曲したラインを多用したデザインは、どれも必見です。


カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)への行き方

日本からバルセロナ(Barcelona)への直行便はありませんので、ヨーロッパ内で乗り継ぎをする必要があります。
空港から市内へは、シャトルバスが便利です。所要時間は約30分。
カタルーニャ音楽堂の最寄駅は、メトロL1・L4のUrquinaonaですが、巡回バスのシティツアーズではGothic、バルセロナツーリストバスのCasa Bastlloも便利です。